ギックリ腰の痛みを取りのぞきます欧米では「魔女の一撃」(Hexenschuss:ドイツ語)などと言われる、いわゆるぎっくり腰。ぎっくり腰を大きく分類すると三つになります。①椎間板ヘルニア②急性腰椎椎間関節症③急性の筋・筋膜損傷。これらすべて損傷部位が違うため同じ施療ではありません。
①椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア)は髄核が脱出して神経を圧迫している状態ですので、下肢への痛みが強く現れます。
②腰椎椎間関節症(ようついついかんせつしょう)は弛緩した関節嚢が腰椎に嵌頓された状態ですので、ヘルニアよりも腰痛がより強く現れます。
③筋・筋膜損傷は字の通り、脊椎起立筋(せきちゅうきりつきん)を痛めていますので脊椎への痛みは少なく、起立筋を動かすと強い痛みを訴えます。
それから一般的な腰痛。これらは原因から症状、ひとくくりにするにはあまりに多すぎて、一口には言えません。変形性からくるもの、姿勢性からくるもの、筋力が弱った事からくるもの、仕事やスポーツで偏った使い方をすることからくるもの。先のぎっくり腰もそうですが、腰痛は何らかの要因があって発症します。
ぎっくり腰を起こした原因を探り症状を見極める大野接骨院ではまず、「その要因が何なのか?」を考える事からはじめます。実際のところ、「腰痛を起こした原因」と「その症状」が一致しない事は臨床においては非常に多いのも事実。例えば、突然何の前触れもなく激痛に見舞われた腰痛。その原因と症状があまりにもかけ離れている場合があります。
今まで何度も遭遇したのですが、患者さんに胆石や尿道結石などがあり、疝痛発作から腰部の激痛に見舞われる事があります。そういう場合は直ちに総合病院の受診を勧めるのですが、内科的疾患から腰痛を起こす事も多いので、問診、触診には細心の注意が必要です。
大野接骨院では腰痛の施療は、基本的にカイロプラクティックがメインになります。ただし、すべての患者さんに同じ施療、手技を行う事ではありません。まず、愁訴、主訴、病歴、仕事内容、原因などを問診する事からはじめ、モーションパルペーシュンを行い腰椎の動きを確認し、必要ならば徒手検査等を行います。
そして方針を決定し施術内容、方法を患者さんに伝えます。骨粗鬆症の疑いのあるお年寄りと、20代の男性と同じ矯正を行う事はまずあり得ませんし、行えば大変な事になります。髄核が脱出しているヘルニアの患者さんに、関節嚢が嵌頓している腰椎椎間関節症と同じ施療を行えばかえって症状を悪化させてしまいます。患者さんの疼痛を軽減する最善の方法を考え、それを患者さんに伝え、患者さんが納得しなければ、施療を行う事はありません。
来院した患者さんの中には、トムソンベットのドロップ音が怖い。とカイロプラクティックの施術を敬遠する方もおられます。そういう場合は無理強いする事はありませんし、矯正をする事はせずマニピュレーション(手による整体施術)だけを行う事もあります。
ただ、二つ折れで来院し、疼痛のため待合室の椅子に座る事も出来ない急性腰椎椎間関節症の患者さんが、大野接骨院を出る時には、真っ直ぐ歩いて帰るのを見るのは実に嬉しいものです。
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